未明、夢の途中で尿意により目が冷めた目が覚めた。夢の内容はおぼえていない。半覚醒状態のままトイレへゆき、便座に腰かけ、ひざに肘をつき額をささえ目をつむる。放尿のあいだ中、ふと足元の、くるぶしの上あたりのすね毛がさわさわと揺れるのを感じた。はだになにかが触れるような感覚とともに。両足とも。つむった目の視界のはしで、白い子猫の影がぐるぐると便座に座る私の周囲をめぐっているのが見えた。
現在は当然、過去にも純白の子猫なぞは我が家にはいたことはない。ただふと、いなくなってしまった虎縞の子猫のことを思い出した。