「破天荒」という言葉

これは陳舜臣氏の『弥縫録』という本(だと思う)で読んだんだけど、「破天荒」ってのはこれまで科挙の及第者の出ていなかった地域で初めての状元が出た、という「いまだかつてない快挙」をあらわした言葉だそうだ。

しかし私はこれまで「破天荒」をそういう意味で使用した例をあまり見聞した記憶がない。

たいていは、それ「天衣無縫」くらいの意味で言ってないか?と思うことが多い。

ところで「天衣無縫」という言葉は、「手を加えるまでもなく完成している」「自然状態で完璧な出来」といった意味らしい。

だがたいていは単に「スケールがデカい」くらいの意味で使われることが多いような気がする。

つまり、私の見聞することの多い「破天荒」という言葉の用例は「ムチャですげー」という意味で使われていると言いたいのだが、そういうのを見ると、なんか、知識を得るのも良し悪しだよなぁ、とちょっと悲しくなる。

まあ要するに、私がちょっと尊敬している人がそういう用例をしているのを目にしちゃった、ということだけのことだけれども。